子供には積極的に運動させた方がいいのかな?できれば運動音痴になってほしくないんだけど…
子供の運動神経について軽くて考えるのは極めて危険です。
運動音痴になってしまうと、子供の人生の難易度はあなたの想像以上に跳ね上がります。親が子供の幼少期に十分な運動をさせなかった場合、子供の将来に深刻な影響を与えるのです。
でも、運動音痴な子供だって可愛いし、そんな大げさな…
幼少期は運動音痴でもかわいいでしょう。しかしいずれは成長して大人になっていきます。子供から大人に成長していく過程で常に運動音痴という十字架を背負う辛さはあなたが思う以上に深刻なのです。
この記事では、実際に運動音痴として生きてきた私が、運動音痴になるとどんな辛い未来が待っているのか具体的に解説します。
後半ではあなたの子供を運動音痴にしないための対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
運動音痴の子供は辛い人生を歩む5つの理由
運動音痴の子供があなたの想像以上に人生つらい理由は以下です。
- 努力しても報われないから
- 自分に自信が持てなくなるから
- 攻撃な子供から標的にされるから
- 大人になっても一生運動音痴の辛さが続くから
- 男性の場合、異性から恋愛対象と見られないから
以下、順に解説します。
理由①運動音痴の子供は努力しても報われないから
運動音痴が最もつらいのは、どんなに努力しても運動音痴が改善されないことです。
足が遅い小学生が毎日走り込みをしても足は速くなりません。球技が苦手な小学生が毎日練習しても一向にうまくなりません。
運動音痴の根本原因は、運動するための神経が発達しておらず自分の想像の通りに体を動かせないことだからです。もちろん、毎日必死に練習すれば、練習を始める前の自分よりは運動できるようになるでしょう。
しかしあくまでも「過去の自分」と比較した上での成長であり、人並の運動神経を持つ他人との差は一向に埋まりません。
- 運動音痴の体験談
- 実際、運動神経の悪い私は中学時代にバスケ部に入部し、3年間1日も練習を休まず必死に練習しました。しかし3年間で試合に出れたのはただの一度きり。大差をつけられて負けが確定した引退試合で記念に出させてもらえただけです。
運動音痴は3年間必死に努力しても報われない残酷な現実を学びました。
理由②運動音痴の子供は自分に自信が持てなくなるから
運動音痴の子供は体育やスポーツの時間に、あなたの想像以上にみじめで辛い思いをしています。
なぜならば、自分が他人より劣り苦手なことをやっているところを周囲から注目され、時には周囲から嘲笑されたり明確に非難されるからです。
自分は決して怠けているわけではなく一生懸命、必死にやっている。それでも思うようにいかず、他人から笑われ、怒られる。こんな辛いことは人生において他にはありません。
想像してください。
あなたはある日いきなりプロのアイドルが踊るダンスステージに引っ張り上げられ、そこで他のアイドルを一緒に踊れと指示されました。あなたは見よう見まねで一生懸命踊ってみますが、観客から大ブーイング。
指をさされて笑われる上、「へたくそ」「帰れ」と罵声もあびるのです。
運動音痴は体育やスポーツの時間に常に上記のような辛い思いをしています。これを小学校~高校までの9年間続けていたら、自分に自信を持てなくなるのは当然です。
子供の世界ではパワハラは認められない
たとえば大人が職場で以下の発言をしたらどうなるでしょうか?
山田さん、あなたは仕事できないからうちの部署にはいらない。他の部署に移動してくれないかな?
なんでこんな簡単な仕事できないの?馬鹿なの?
完全に人格否定の発言であり、パワハラで即訴えられます。なぜならば、言われた側は精神的なダメージを受けて出勤できなくなり職場全体にデメリットが発生するからです。
しかし子供の世界、たとえば学校ではパワハラ防止規定などありません。
体育や部活の時間に以下の発言があっても、パワハラにはならないのです。
田中は下手だからウチのチームには要らない、他のチームに移ってよ
なんでこんな簡単なことできないの?馬鹿なの?
もちろん暴力を振るうレベルになれば教師が止めに入りますが、上記のような口頭のやりとりは取り締まられません。
そんなひどいことを言う人はいないのでは?
子供の世界の残酷さを甘く見ないでください。子供は大人よりも精神や思考が未熟なため、「こんなことを言ったらきっと相手は傷つく」といった想像力が働きません。子供は相手の感情やストレスを考慮せず言いたいことを言ってしまうのです。
理由③大人になっても一生運動音痴の辛さが続くから
運動音痴による弊害は子供時代だけにはとどまりません。実は、大人になっても運動音痴の辛さは続きます。
体育の授業や部活は学校にしかないから、大人になったら人前で運動する機会はありませんよ。運動音痴を感じることはないのでは…?
運動音痴の辛さを甘く見ないでください。大人になっても人前で運動音痴をさらすシーンは意外とあります。
- 職場のイベントとして開催されたスポーツ大会への参加時
- 仲のいい友人グループからスポーツ系の遊びに誘われたとき(草野球、フットサル、スノーボード、ボウリングなど)
- 家庭を持ち子供が生まれた後、子供の運動会における父兄参加型の種目
運動音痴は大人になっても改善されないため、上記のようなスポーツ系のイベントに参加すれば子供時代と同様に悲惨な目に遭います。
運動音痴の大人がその醜態をさらす場合、子供時代と異なり以下のような辛さが上乗せされます。
- 運動音痴の大人は運動習慣がなく運動音痴度合いがより強まっているため、子供時代よりもさらに運動ができなくなっており醜態をさらす
- 大人の世界では周囲から明確に「運動音痴だな!」等と指摘されないが、誰も指摘しないことでかえって気まずい空気になり、みじめな思いをする
スポーツ系のイベント・誘いを断るデメリット
運動音痴の人はスポーツ系のイベントや誘いは断ればいいのでは?
もちろん、学校の体育の授業と違い強制参加ではないことが多いため、断れば自分の運動音痴の醜態をさらさずに済みます。
- 運動音痴の体験談
- 実際、私が以前勤務していた会社では毎年部署対抗の運動会が開催されていましたが、私は何かと理由をつけて欠席していました。
しかし、イベントを欠席することでデメリットも被ります。
- あいつはイベントへの出席率が悪いと上司からの評価が下がる
- 他の同僚がスポーツ系のイベントで結束を高めている輪に自分は入れない
運動音痴であるが故にスポーツ系のイベントはのきなみ欠席し、そのデメリットまで被るのは本当に損です。
決してイベントそのものが嫌だから欠席するのではなく、自分の運動音痴の醜態を周囲に露呈したり、同じチームになった人に迷惑をかけるのが嫌だから欠席するのです。もしも運動音痴でなかったら出席して、スポーツを仲間と楽しみたいと思っています。
以上をふまえ、運動音痴の十字架は大人になっても一生続きます。
理由④運動音痴の子供は攻撃的な子供から標的にされやすいから
直視したくはない残酷な真実ですが、運動音痴の子供は他の攻撃的な子供からターゲットにされやすいです。
- 運動音痴の体験談
- 実際、私の中学時代、不良グループの攻撃的な男子から殴られたりプロレス技をかけられるのは私も含めてきまって運動音痴の人でした。一方で、運動神経のいい子は不思議なほど標的にされていませんでした。
不良グループの子も人間であり、本質は動物です。運動神経が良く身体能力にすぐれる人を攻撃すれば返り討ちに合うリスクを本能的に理解しているのでしょう。
もしも反撃されたとしても身体能力の差で確実に勝てる運動音痴を標的に攻撃するのは自然の摂理なのです。
運動神経は子供の世界で絶対的な指標となる
運動神経の良さは、子供の世界における序列を決める大きな要素です。
運動神経の良さが、スクールカーストにおける順位を決めるのは当然の摂理です。なぜならば、子供は社会経験が浅いことから人間社会において何がパワーを持つのか想像できないからです。
結果として身体能力という最も原始的な指標に価値を置きます。小学生は足が速い子がモテる、中学生は不良がモテるのもこの法則に則しています。
理由⑤運動音痴の男性は異性から恋愛対象と見られない
直視したくない事実ですが、自分の体験をもとにハッキリと述べます。
男性が運動音痴をさらしている場を女性が見ると、女性はその男性を恋愛対象と見れなくなる可能性が非常に高いです。
従って、体育祭やクラス対抗のスポーツイベントによって運動音痴を女子にさらす機会のある中学〜高校では、運動音痴の男子は確実に女子にモテません。
運動音痴は女子にモテないなんて決めつけでは?運動音痴の人だって結婚してるわけだし…
たとえ運動音痴だとしてもその醜態を晒さなければモテる可能性はあります。
運動音痴は「身体能力が低い遺伝子」と思われ敬遠される
この力学において、身体能力が明確に低いと感じてしまう運動音痴に対して恋愛感情を持てなくなるのは自然の摂理です。さらに、女性は男性に対して「自分と自分の子供を外敵から守ってくれそうか」という評価も本能的に感じとります。
運動音痴の男性の醜態を女性が見た場合、「この人は身体能力が低くて、いざ外敵に襲われても私や子供を守りきれなそう」と本能で感じ、恋愛感情を失う可能性が極めて高いのです。
運動音痴の原因
運動音痴、つまり「運動神経の悪さ」は遺伝と思われがちです。しかし、運動神経は一部遺伝するものの、運動神経の良い/悪いを決めるのは実は遺伝ではなく幼少期の経験です。
運動神経の正体
例えば、子供が「ボールを投げる」という動作をするとき、その指示は脳から出発します。脳から脊髄、末梢神経、そして筋肉へと電気信号として指示が伝わっていきます。この一連の回路こそが、いわゆる「運動神経」なのです。
運動神経、つまりこの一連の回路は「投げる」という動作を何度も繰り返すことで形成されていきます。同じように、「走る」「跳ぶ」「蹴る」などのさまざまな動作を経験することで、その都度、新しい回路が形成されていきます。
この回路の種類が豊富なほど、子供の運動神経は良くなるのです。
例えば、野球では「投げる」「打つ」が主要な動作となります。小学生になってすぐに野球が上手にできる子供は、小さい頃からキャッチボールをしたり、バットでボールを打つといった経験があるはずです。前にやったことがあるからこそ、後になってもスムーズにその動作を再現できるのです。逆に、野球がなかなか上手にならない子供は、小さいときにその動作を経験していないだけです。
従って、運動神経の良い・悪いを決めているのは決して遺伝ではなく、「幼少期に様々な運動を経験してどれだけ多くの神経回路を形成したか」なのです。
運動音痴の体験談
実際、運動音痴になった私は幼少期に積極的に運動していませんでした。3歳から幼稚園に通っていたため幼稚園の授業として外遊びはしていましたが、幼稚園から帰った後はいつも自宅で絵を書いたりブロック遊びをしていたのを覚えています。
尚、私の親は運動神経抜群でした。しかし幼少期にあまり運動しなかった結果私は運動音痴になったため、「運動音痴になる原因は親からの遺伝より幼少期の運動経験の少なさ」という説は正しいと考えます。
運動音痴の親は子供に環境を提供しない
もちろん、運動が苦手な親のもとに生まれた子供が運動音痴になるケースもあるでしょう。
しかしこの原因は、「親から子供に運動音痴の遺伝子が受け継がれた」訳ではなく、「運動が苦手な親が、子供に運動させる環境を十分に提供しなかった」からと考えられます。
親が運動に苦手意識があれば、子どもと一緒に運動や外遊びをする機会が少なくなるでしょう。その結果、子どもは運動をする 「経験」が足りないために、運動音痴になってしまう場合が多いのです。
自分の子供を運動音痴にしないための対策
運動音痴の原因をふまえ、子供を運動音痴にしないためにはまず6歳までに十分な運動経験をさせることが重要です。
なぜならば、子供の運動神経の発達に関する著名な研究結果「スキャモンの発達曲線」によれば、 運動神経に大きく関わる神経の成長は生まれてから5~6歳頃までで80%完成するからです。その後12歳で100%完成に至ります。
神経が80%完成しきる5~6歳までに、脳でイメージした動きを体で表現できるようにしておくことが極めて重要なのです。
一度神経経路が出来上がってしまえば忘れない
神経は一度その経路ができあがると、 なかなか消えません。たとえば、子どもの頃に覚えた自転車の乗り方を、大人になっても忘れないのは「自転車に乗るための神経経路」が一度出来上がりその後消えないからです。将来1つのスポーツに打ちこむにしても、5~6歳までに身につけた神経経路が、その後の体育の授業やスポーツの場で発揮されるのです。
5~6歳までに経験させるべき運動の種類は幅広い
子供の運動神経を発達させるために幼少期に必要な運動とは、多種多様な動きです。子どもの動作発達研究の権威、デビッド・L・ガラヒュー氏によると、84種類あるといわれています。
移動系の動き
- 走る
- はう
- 降りる
- 跳ぶ
- 追いかける
- 泳ぐ
- かわす
- 登る
バランス系の動き
- 渡る
- ぶら下がる
- 水の中で浮く
- 回転する
操作系の動き
- バットで打つ
- ボールを投げる/獲る
- 押す
上記のような多様な動きを神経系の発達が著しい幼児期に、なるべく数多く経験してその回路をつくっておく必要があります。
幼児向けの運動教室ならバランス良く運動して運動音痴を回避できる
具体的に子供に何をさせればいいのかわからない…そんな時間ない…
バランス良く定期的に子供に運動させる自信がないなら、幼児向けに運動教室がオススメです。
幼児向けの運動教室は、野球やサッカー等の特定のスポーツを上達させるのではなく、子供に様々な運動をさせることで、その後の人生で必要となる運動神経や基礎体力を養うことを目的としています。
以下に、運動音痴を回避するためにオススメの運動教室を紹介します。
biima Sports
biima Sportsは、早稲田大学と共同開発した、最新のスポーツ科学に基づく子供向けの運動教室です。
対象年齢 | 3~11歳 |
特徴 | 様々なスポーツを子供に経験させ、幼少期の基礎体力や運動神経形成を促進する。 サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の前フィジカルコーチで現在早稲田大学スポーツ科学学術院教授の広瀬氏と、日本幼児体育学会会長で早稲田大学人間科学学術院教授の前橋氏が共同開発した、スポーツ科学に基づく運動プログラムを提供。 |
通える場所 | 全国に教室を展開 |
料金 | 月額6,000~10,000円 ※全国の教室毎に料金が異なります |
ティップネスキッズ
ティップネスキッズは、総合フィットネスクラブのティップネスが子供向けに提供する運動教室です。
対象年齢 | 0歳〜15歳 |
特徴 | 大手総合フィットネスクラブとしてのスポーツ教室運営の実績 総合的な運動能力を養うプログラム「体育のミカタ」から、スイミング、キッズダンス、新体操、テニス、フットサルなど子供の好みに合わせて多様な種目を選べる 親子で楽しめるプログラムもあり 送迎バスがあり保護者の負担が少ない |
通える場所 | 関東エリア24店舗 東海エリア2店舗 中京エリア2店舗 関西エリア6店舗 |
料金 | 月額10,000円~ 兄弟何人で受講しても料金は変わらない |
へやスポ アシスト
へやすぽアシストは、運動が苦手な子供を対象としたオンライン運動教室です。
対象年齢 | 3歳〜11歳 |
特徴 | 既に累計2万人以上の子供が楽しみながら運動能力を伸ばしてきた実績あり 運動が苦手な子供を考慮したプログラムもあり、子供一人ひとりに合ったプログラムを提供 慣れ親しんだ自宅でレッスンが受けられるので、不安を感じやすい子供でも安心して取り組める 通う時間や送迎の手間がかからず、保護者の負担が少ない |
通える場所 | オンラインのため通う必要なし |
料金 | 月額8,000円~ |
幼少期は勉強よりも絶対に運動させた方が良い
運動ができるようになって将来の役に立つの?別にスポーツ選手に育てたい訳ではないし…
勉強をさせたほうがいいような気がします。
実際に運動音痴として生きてきた経験から断言します。幼少期は学業よりも絶対に運動をさせて、子供が運動音痴になるリスクを回避させるべきです。
以下、子供の幼少期に運動を経験させるか、勉強させるかを比較してみました。
運動 | 勉強 | |
---|---|---|
幼少期に経験させるメリット | その後の人生において運動音痴を回避できる | 小学校入学後、他の子どもと比べて学業面で多少優位に立てる |
幼少期に経験させないデメリット | その後一生運動音痴として生きることになる | 特になし(小学校以降で巻き返せる) |
幼少期に運動を優先するか、勉強を優先するかの最大の違いは「あとで取返しがつくか否か」です。
勉強は小学校入学後に努力すればいくらでも取り返しがつきます。実際、中学・高校で偏差値が低くても必死に勉強した結果難関大学に合格した実話もそこら中に転がっていますよね。
しかし運動は違います。幼少期に十分に運動経験せず運動音痴になってしまった場合、あとから取り返しがつかないのです。
「偏差値が低かった落ちこぼれ学生が努力して学力を上げた」エピソードは見かけます。一方で「運動音痴が努力して運動神経バツグンになって主体性・リーダーシップ・コミュニケーション力があがった」というエピソードは見たことがありません。
幼少期に十分な運動を経験せず一度運動音痴になってしまえば、以下の十字架を一生背負うことになります。
- 運動/スポーツの分野では努力しても報われない
- 自分に自信が持てなくなる
- 攻撃な子供から標的にされる
- 大人になっても一生運動音痴の辛さが続く
- 男性の場合、異性から恋愛対象と見られない
人生への影響度と、「幼少期に全てが決まってしまう緊急度」をふまえても、子供の幼少期は勉強よりも運動を優先すべきなのです。
まとめ
以上、運動音痴が人生辛い理由とその対策について解説しました。改めてまとめると以下の通りです。
運動音痴の子供は人生つらい理由 | 運動/スポーツの分野では努力しても報われないから 自分に自信が持てなくなるから 攻撃な子供から標的にされるから 大人になっても一生運動音痴の辛さが続くから 男性の場合、異性から恋愛対象と見られないから |
運動音痴になる原因 | 6歳までに十分に運動をしてこなかった場合、運動神経の発達が遅れるから |
運動音痴を回避するための対策 | 6歳までに様々な運動を経験して神経回路を発達させておく。 子供を運動教室に通わせると、バランスよく運動できてオススメ。 |
もしもあなたに幼い子供がいるなら、運動音痴にならないよう必ず6歳までに十分な運動をさせてあげください。辛い運動音痴の十字架をあなたの子供が背負わないことを祈っています。